グラブの接着剤
グラブのメンテナンス・修理で使用される『グリス』とはグラブの平裏革(手を入れる側の革)と捕球面の革、この2枚の革を接着させる為の半固体の油性物質です。
※正式名称は『アタッチメントグリス』
Attachment(アタッチメント)=取り付け
Grease(グリース・グリス)=半固体の油性物質
↑アタッチメントグリス
このグリスで2枚の革が接着されることによってグラブの表裏に一体感が生まれ、グラブのポケットが形成されます。そのため、製造工程で全てのグラブに入れられています。
しかし、このグリスはグラブを使用しているうちに無くなっていってしまうのです。
(よく、グラブの捕球面の中に固まった石のようなものが入っていることがありますが、これはグリスが土や砂と混ざり固まったものです。)
↑グリスが少なくなってしまっているグラブ
グリスが無くなる、少なくなると2枚の革の接着がされないので捕球面の革が浮いてきてしまいます。
この状態はグラブが型崩れを起こしている状態で、ボールを捕球感覚が鈍くなってしまいます。
特に久保田スラッガーのグラブは元々入っているグリスの量が少ない傾向があるので、長く使用していると捕球面が浮いてしまうことが多いです。
こうなってしまったグラブはグリスの交換をする必要があります。
グラブのヒール、土手部分の紐を解いて古くなって固まったグリスの塊を取り除いて新しいグリスを入れてあげる必要があります。
グリスの交換
グラブのグリス交換が必要な場合、以下の2パターンの方法があります。
①グリスを購入して自分で交換する
グリス交換の行程は自分でもできます。しかし、問題はグリスの調達方法と紐通しの知識です。
基本的に通常の野球用品店やスポーツショップはグリス(アタッチメントグリス)を取り扱っていません。
(※ジュンケイグリスについては後述します)
野球用品店に行って「グリスありますか?」と聞いてもグリスは出てきません。
ゼビオ、ヒマラヤ、アルペンなどの大型スポーツショップはもちろん、あのベースマン、スワロースポーツでさえも。
しかし、一部グリスを販売しているニッチな小売店さんがあります。こうした小売店がオンラインでグリスを販売しているので、楽天市場などを利用すると簡単に調達できます。
しかし、グリスが調達できてもグラブの紐通しをやったことがなければ難しいです。しかし不可能ではないです。私自身も10年以上前にまだYouTubeを探してもグリス交換の動画が無く、ネットにも情報が少ない中、独学でなんとかできましたから。
以下の動画などを参考にしてみるといいかもしれません。
とはいえ大切なグラブの修理。失敗したくない、使う機会の少ないグリスを買うのは勿体無い!という方にはお店に頼んで交換してもらうのがオススメです。
②お店で交換してもらう
グリスは売ってないけどグリス交換はできますというショップは少なくありません。
近くにグリス交換をしてくれるショップが無い場合は以下のように郵送でグリス交換をしてくれるショップもあるので利用してみると良いかもしれません。
↑クリックして詳細をチェック
この野球用品スポーツショップムサシさんのグラブリペア シルバーコース(送料無料)でグリス交換をしていただけるそうです。
ジュンケイグリスとの違いは?
「グリスは普通のスポーツ用品店では売っていない」と説明しましたが、実はジュンケイグラブさんというメーカーが『JG-01伝統のグリス』(以下、ジュンケイグリス)という商品を販売しています。
これもグリスの一種なのですが、本記事で紹介した「アタッチメントグリス」とは少し異なる性質を持った商品です。
↓以下はそのジュンケイグリスについて紹介した記事です。
実はこのジュンケイグリスも取り扱っている店舗は少ないです。ですが、今はインターネットが便利な時代です。オンラインショッピングで購入可能なので気になる方はチェックしてみてください。